第17章 ずっと一緒にいようね【野崎真由】
女の子1「えと、真由君、好きです!」
朝、部活終わりの体育館裏。
告白にはよくある場所だった。
私は、部員の柔道着を洗って干していた所だったが、ちょうど体育館裏の告白シーンを見てしまう。
女の子1「だから、付き合ってください!」
女の子は私達と同じ一年で、一年内で一番可愛いと男子が言っている娘だ。
真由がもしOKしたら…。
ふと、そんな不安が頭をよぎった。
真由が口を開いた瞬間、私は先輩に呼ばれ、真由がなんと言ったか分からなかった。
少し時間が経ったあと、もう一度体育館裏へ向かった。
そこには、
楽しそうに笑っている二人。
真由も心なしか微笑んでいる。
OKしたのかな…。
胸の痛みが私を襲った。
やっぱり、あの約束なんて、まやかしだったのかな…?
そう考えると、涙が溢れそうになるので、そっと心にしまった。
それから、真由はあの女の子と休み時間によく会っている。見ているのは辛いが、
どうしても気になって見てしまう。
美紅「夏希、大丈夫なのアンタ…」
夏希「美紅…」
美紅は、真由と女の子が話しているのを見て察したらしい。
夏希「さぁ、分かんないや。全然…」
そう。私にも分からない。
不安と悲しみが私の中で暴れ続け、
私は美紅に隠れてそっと涙を流した。
晶「夏希ー呼んでるよー。」
ふと呼ばれ、
駆け足でドア付近に行けば、柔道部の人がいた。
その人に連れられ、来たのは体育館倉庫だった。
部品足りなかったかな?
そんなことを考えたが、
全然違うものだった。