• テキストサイズ

☆2016企画バトンリレー☆

第7章 バ




▼視点

何度でも言おう。
一体全体、どうしてこうなったんだろう。

結局あの後、梟谷の人たちも集まり、牛島さんを見た梟谷の主将である木兎さんは「勝負がしたい」と言い始め、バレー馬鹿の日向と影山くんもその言葉に乗っかり、あれよあれよという間に白鳥沢の体育館へと来ていた。
なぜ、白鳥沢なのか。
答えは簡単で、烏野の体育館も青城の体育館も閉まっていたからだ。

その後も話を聞きつけた澤村先輩や他のメンバーもぞろぞろと白鳥沢へとやって来て、烏野、青葉城西、白鳥沢、梟谷、全4校が集まったわけだが、その人数の多さに私は家に帰りたい気持ちが強くなる。

8時だよ!全員集合!じゃないんだから。
なんて思いながらも私は選手たちのサポートに努める。

試合となると雰囲気ががらりと変わる彼ら。
先ほどまで徹くんと私のことを聞きたがっていた日向と影山くんはすでに目の前の敵に釘付けだ。
徹くんもまた宿敵である牛島さんや影山くんに意識を集中して、全国5本指に入るスパイカーの木兎さんと戦えるのをどこか楽しそうにしているのがわかる。

本当にバレー馬鹿。
だけどそんな彼らがとても羨ましく微笑ましく思うのは、彼らのバレー馬鹿なところが好きだからだろう。

ふと、ある人の姿を追いかけた。
気がつくと追い上げてしまうその人の姿。

初めてその人を見たときから好きだと思った。
そのプレースタイルも全てが好きだと全身が叫んでいた。
と同時に、その気持ちに蓋をした。
上を目指す人にとって私のこの恋心は邪魔でしかない。
そう思ったからだ。
だけど、蓋をして閉じ込めているというのに、その気持ちはどんどん大きくなるばかり。
膨らんで膨らんで、閉じ込めていた気持ちは溢れては溢れる。

『好きだなぁ』

気がつくと私はそう呟いていた。
それを聞かれているとも知らずに。

/ 12ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp