第11章 最後の言葉
ん?参謀なったらあの隊服着れるの?あのスカーフがついたかっこいい隊服着れるの?
一回着てみたかったんだよね・・・・・
土「どうした?」
『ねぇ・・・・トシ・・・・・隊服ってそれになるの?』
土「ん?ああ、そうなるな」
『へぇ・・・・・・・』
トシは私の顔に煙草の煙を吹きかける。
『ぶあ!!目にしみる!!』
土「隊服なんかの為に参謀なるんだったらさせねぇからな」
『え~!!あ、敬語とれてた』
土「時々なってんぞ」
『え?あ、すいません。気をつけます』
言い直すとトシは私の髪を撫でた。
土「お前スリーサイズとか身長とか変わってねェよな?」
『身長は少し伸びたみたいですよ?スリーサイズは・・・・・副長が一番分かってるんじゃないですか?』
土「・・・・・若干胸がでかくなった」
『真面目な顔してそんなこと言わないでください!!』
こーゆーところが嫌いなんだよなァ・・・・・
別にほんとに嫌いなわけじゃないけど。
土「とりあえずはお前の正体知るのが先だな」
『そうですね』
パトカーを運転しているトシを見る。
うん、いつも通りかっこいいですね。
でも、私はどうなんだろう?
もし私が私じゃなかったら?もし得体のしれないものだったら?
もし、みんなの命を脅かすようなものだったら?
そうしたらもうみんなとは一緒にいられない。
私は何なの?
知るのが怖い。死にそうになった時よりもはるかに怖い。
もしこの手でトシを殺してしまったら私は・・・・・・
土「どうした?」
トシが心配そうに私の顔を覗き込む。ちょうど赤信号だ。
『怖い』
土「あ?」
『自分のこと知るのが怖い』
私がそう言うと、いきなりトシは笑い出した。
土「いつになく弱気だな」
『そんなに笑わなくても・・・・・・』
土「らしくねぇからな。まぁ無理もねぇか」
信号が青に変わる。
土「俺はお前のこと好きになった時から覚悟はしてる」
『・・・・なんのですか?』
土「お前に殺されてもいいって思ってる」
『はぁぁぁぁぁ!?』
バカですか!?何その意味不明な覚悟!!