第11章 最後の言葉
新八side
銀「おめぇが・・・・・お前が瑠維を殺したんだよ!!何であいつが・・・・誰よりも苦しんできたあいつが死なねーといけなかったんだよ!!」
銀さんは泣いていた。泣いて、土方さんに掴みかかっていた。苦しそうに悲しそうに。そして、何かに怯えているようでもあった。瑠維さんはあの男と合い打ちになったように見えた。
でも、あの男は刺された場所を押さえ、そのまま立ち去って行った。
真実を知れ、瑠維
そう言い残して。
銀「また・・・・・俺はいつも何も護れねェ!!」
神「銀ちゃん・・・・・」
恋人ではなかった。でも、銀さんにとって瑠維さんはかけがえのない存在であった事にはかわりない。
土「・・・・・帰るぞ、総悟」
土方さんは立ち去っていた。呼ばれた沖田さんは瑠維さんの血を浴びて、ただただ呆然としていた。そこにはいつもの威厳はなかった。
新「なんででしょうね。いい人ばかりが死んで、悪い人ばかりが生き残る。おかしいですよ・・・・・・」
僕の呟いた言葉に、銀さんは立ち上がった。その顔には恐ろしいほどに何の表情も見られなかった。
神「銀ちゃん?」
神楽ちゃんが銀さんの異変に気付いたようで、銀さんの肩を揺さぶる。
銀「許せねェ・・・・・」
神「ぎ・・・・んちゃん・・・・」
銀「ぶっ殺してやる」
その声には殺気が怖いほど含まれていた。
神「やめるアル、銀ちゃん。そんなこと、瑠維は望んでないネ」
銀「あいつが望んでなくとも俺が許せねェんだ」
神「でも・・・・・」
銀「黙ってろ」
銀さんは瑠維さんの刀をもってどこかに歩いていく。
僕たちは、止めることができなかった。