第11章 最後の言葉
私は体育館に入る前にトシに言った。
『ここで待ってて?』
その言葉にトシは頷く。私はそれを確認すると体育館に足を踏み入れた。
その瞬間、圧倒的な威圧感が押し寄せてきた。
恐い、苦しい。そう感じる。
でも、私は刀に手を伸ばし一気に抜刀した。
真「随分やってくれたね?」
声が明らかに怒りを示している。が、トシほど恐くない。
『あなたに縛られる権利はないと思って』
真「たとえそれが、仲間の命を脅かす行動であってもかい?」
挑発するような言い方。
トシの顔で声でそう言われているように感じてしまう。
でも、この人はまったくの別人。
『だからこそ、今私はあなたを倒す』
私のその言葉に真太郎さんは笑う。
真「そうか・・・・・なら」
真太郎さんは刀に手をかけた。
私の手の甲に汗が流れ落ちる。
でも、不思議と怖さはなかった。
次の瞬間、真太郎さんは一瞬で私の目の前に移動する。
刀が突きだされる。が、私はそれを受け止める。
そこに蹴りが飛んできたが、なんとか体を反転させた。
そのままの勢いで首に足をかけようとするが、その足は逆に掴まれ、私は宙へと放り出される。