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苦しみの中の幸せ Part3 [銀魂 土方落ち]

第8章 昔の味方は今日の敵



私は刀を鞘にしまうと、涙を拭った。

トシを見ると、複雑そうな顔をしていた。

先ほどまでの会話だと・・・・・・私が追いかけていたのは真太郎さんで、トシの事は愛していない事になる。

でも・・・・・真選組を辞めるには・・・・・手っ取り早い口実にはなる。

トシを・・・・みんなを護るため・・・・・もう一度犠牲にならなくちゃいけないの?

その問いは・・・・・頭を隅で消えた。

みんなを護るためなら・・・・・私は・・・・・何でもする。

土「瑠維・・・・何やってんだ?」
『・・・・別に』
土「あの言葉・・・・本当か?」
『・・・・本当だって言ったら?』
土「・・・・・俺はただの・・・・・あの野郎の代わりだったってことか?」
『・・・・今さら気付いたの?』

私は笑った。

『真太郎さんと顔がそっくりだったからね・・・・・私の初恋はあの人なの。何年も思い続けてきた。彼が戻ってきたなら・・・・・・あなたは用済みね』

ほんとは違う。
全然違う!私が愛したのはトシだけ!

心が悲痛な叫びを上げる。でも、口は全然違う言葉を発する。

『私はあの人を追う。これで、うざったるい幕府の犬ともおさらば。腐れた芋侍どもの中にいると、こっちまで腐りそうね』

私って・・・・ほんとスゴイ。平気な顔で嘘がつける。
トシは意外と無表情だった。

土「んなことだろうと思ってたぜ。てめーなんか真選組にはいらねぇ。もちろん、あの男追えばいい。その代わり・・・・・もう二度と、俺の前に現れんな」

トシはそう言うと、振り返り煙草に火をつけた。
私はその横を通り過ぎる。

土「その隊服は、一生着るな。汚れる」
『着る気なんて毛頭ないわよ』

そう言い残し、街中を歩いて行った。
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