• テキストサイズ

苦しみの中の幸せ Part3 [銀魂 土方落ち]

第8章 昔の味方は今日の敵


『辻斬り?』
土「そうだ、巷で流行っているらしい。まぁ・・・・・一応気を付けとけや」

私はトシの部屋でせんべいを食べながらそう言った。仕事は終わらせてあるし、今は昼休み中だ。
辻斬り・・・・・・久しぶりに聞く言葉だ。最近、特に何もなかった。

『・・・・ん?一応ってどういうことですか?』
土「お前はそんじゃそこらの辻斬りにゃ、やられねーだろ」

私のこと化け物みたいに扱うのやめてほしいんだけど・・・・・・
そしてそれに慣れた私はどうなんだろうか?

土「・・・・だが、今回は相当達のわりィ相手見てェだぞ」
『身元が分かってるんですか?』

私のその言葉に、トシは首を振った。

土「違ぇ・・・・・・被害者は皆身元がわからねぇ程壊れてやがんだ。しかも被害者は全員幕府関係者・・・・・随分怨みの強い奴だろう」
『・・・・・で?だからなんなんですか?』
土「ハァ・・・・・・つまり、お前は元攘夷志士だった。それどころかその時代の英雄様だ。そんな人間が幕府に寝返ったって聞いたら・・・・・・」

トシは、わかるよな?と口には出さないが目で合図する。

『まぁ・・・・・気を付けときますよ』

私は立ち上がると、刀を持ち、部屋から出ようとした。
が、トシにそれを阻まれた。

『何ですか?』

恨めしそうに見上げると、トシはいつになく真剣な顔をしていた。

土「・・・・・わかってんのか?」
『だ~か~ら~!!わかってるって言ってるじゃないですか!!』
土「態度からして分かってないんだよ!お前は・・・・・・」
『わかってますって。そんなに馬鹿じゃないんですよ?』

トシは私の態度にため息をついた。そんなトシに私は触れるだけのキスをした。

土「!?」
『心配しないで?私だって、生半可なお嬢ちゃんじゃあないのよ。一応舞鬼神だし、そんなに油断もしない。トシが一番知ってるでしょう?私の強さ』

そう言って、笑うと、トシはもう一度ため息をついた。

土「もういい。お前は俺が護ってやる」
『・・・・・トシよりも私って・・・・強いよね?』
土「・・・そこ・・・・つっこむか?」
『だってほんとのことだもん』

トシは私の頭をぐしゃぐしゃに撫でると、ぼさぼさの髪にキスをした。

土「そこはかっこつけさせろ」
『・・・・・知らな~い』

/ 250ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp