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苦しみの中の幸せ Part3 [銀魂 土方落ち]

第31章 願ふ事あるかも知らず火取虫



銀時side

『どういうことよ、それ!!』

部屋いっぱいに瑠維の怒鳴り声が響き渡る。

肩は怒りに震え、瞳は赤々と染まっている。

銀「瑠維、落ち着け。新八が話せねぇだろ」

山崎の容体を伝えに来たのは新八だった。
新八はお妙から、お妙はあのゴリラから

そんな伝言ゲームが瑠維に伝わった。

新「ぼ・・・僕も姉上に聞いた話なんで詳しいことはわかりませんが・・・山崎さん、誰かに刺されたみたいで・・・」
『刺さ・・・まさか、あの女・・・』

瑠維は今にでも飛び出していきそうだ。
だが、それを自制心でなんとかとどめている。

新「おそらく間違いありません。山崎さんを襲った犯人は瑠維さんということになってますし」

握りしめている瑠維の拳がぎりり、と音を立てた。
まさかそこまでするとは思ってなかった。
瑠維、やっぱコイツは勘が鋭い。

『・・・て事は、ここにいると皆を巻き込んじゃうってことね』

しばらく無言だった瑠維がいきなりそう告げた。
何かを決めたような、強い声音だった。

銀「・・・何する気だ」
神「瑠維、一人じゃヤバいネ!相手は警察アルよ!?」

今までの瑠維の信頼を引き継いでいるというなら、事態は最悪だ。

『じゃ、私は行くね。トシたちが来たら、ふらっとどこかに行ったって伝えてて』
銀「ほんとはどこに行く気だ?」

俺の問いに瑠維は答えず、玄関の引き戸に手をかけた。

銀「無茶はすんなよ」
『・・・わかってる』

低く呟くと、一気に戸を開けた。

眩しい朝日が入りこんでくる。

後ろ手で瑠維は戸を閉めた。

その音が俺にはやけに重く響いた気がした。
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