第30章 三日月の水の底照る春の雨
目を覚ますと、万事屋にいた。
ソファに寝かされていたらしく、新八くんと神楽ちゃんの心配そうな顔がのぞく。
神「気が付いたアルか!?」
新「瑠維さん、真選組で気を失ったんですよ」
体を起こし、辺りを見回す。
するといきなり、うなじに冷たいものが当てられた。
『っ!?』
銀「起きたか、瑠維」
振り向けば、ペットボトルのスポーツドリンクを持った銀時が居た。
銀「ほら」
『あ・・・ありがと』
手渡されたそれは、蓋が開けられていた。
そのまま口をつけ、一気に飲み干す。
銀「いい飲みっぷりだな」
『よく、屯所から連れ出せたね』
背後に立っている銀時に声をかける。
銀「ああ、監視付きだけどな」
『・・・ジミー?』
銀「そ、なぁ、ジミー君」
銀時は木刀で天井の板をごすごすつく。
銀「・・・さっさと出てこねぇと刺すぞ」
ドSモード・・・いや、白夜叉モードの銀時。
声が以上に低くて、背筋が凍る。
『ぎ・・・とき、怒ってる?』
銀「・・・出て来い」
少しトーンが上がった。
新「・・・山崎さん、出てきた方が身のためですよ」
神「そうアル。・・・つーか、私も本気で怒ってるネ。瑠維のことこんなにしやがって、ぶっ殺してやる」
二人の言葉が紡がれた後、諦めたように天井から物音がした。