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苦しみの中の幸せ Part3 [銀魂 土方落ち]

第29章 白牡丹月夜月夜に染めてほし


土方side

あの女が倒れた時、とっさに名を呼んでいた。

罪人に、余計な肩入れはしねぇ。無論、名を呼んだりも・・・

それなのに、なぜか呼んでいた。

瑠維




女が倒れた後、屯所に万事屋が怒鳴り込んできた。

アイツはルイの幼馴染的な存在。

なのに、ルイに目もくれずあの女を抱きしめた。

意識がない女をすごい力で。

それを見た時、あいつを殴り倒してやりたくなった。

触れるな

俺が愛したのはルイのはずだ。

なのにどうしてこんなに苦しくなる。

銀「瑠維に何しやがった!!」

俺に掴み掛ってくる万事屋。

その口から飛び出したのは、先ほど無意識に呼んでいた名前。

土「・・・俺ぁ・・・」
銀「ああ゛!?」
土「そいつが倒れた時、無意識に瑠維って、名を呼んでた」

俺の言動に虚を突かれたように万事屋は目を見開いた。

土「俺はその女を知ってんだな」
銀「なんでそう思う」
土「俺はその女の事を何も知らねぇ。・・・はずだ。なのに、今、お前が触れてると無性に腹が立つ。引きずってでも俺のところに居させてぇと思ってる」

万事屋は少しためらうように頭をかくと、ため息をついた。

銀「今のお前に言っても何も思い出せねぇよ」
土「どういうこ・・・」
銀「ルイ?と別れて俺んとこに来れたら教えてやらぁ」

瑠維という女は万事屋が連れて帰った。

最後の万事屋の言葉。

それだけが頭に響いていた。
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