第28章 武蔵野やつよふ出てくる花見酒
土「一緒に来てもらおうか。別に抵抗しなけりゃ手荒な真似はしねぇよ」
トシに腕を取られる。
周囲を見れば、見知った顔がいくつも並んでいた。
『真選組総動員ってわけですか・・・』
近「瑠維ちゃん、訳を話してくれればそれで済むから」
近藤さん・・・あなたはやっぱりお人よし過ぎる。
『近藤さん、私が凶悪なテロリストだったらどうするんです?』
近「え・・・」
『今、副長の手を振り払ってあなたの首を取ることも容易い。お人よし過ぎるんですよ、あなたは』
ニッコリと気味が悪くなるほどの笑顔でそう告げる。
妙「近藤さん!待ってください、瑠維ちゃんは・・・」
『お妙さん、無駄です。いくらお妙さんの頼みでも、相手は泣く子も黙る真選組局長ですよ?それに、私なら大丈夫ですから』
納得させるように言うと、お妙さんは小さく頷いた。
『銀時も・・・その物騒なもの直して』
立ち上がり、木刀に手をかけている銀時。
銀「何言ってんだ。おめぇが捕まる理由なんざないだろ」
『銀時・・・また追っかけっこするつもり?』
銀「追っかけっこってどういう意味だ」
『過去を隠して生きていく。その大変さがわかるから言ってんのよ。ねぇ、白夜叉どの』
私が銀時の本性を知っていることに大抵の隊士が驚いていた。まあ、そりゃそうだ。銀時は私に隠していると思うのが普通だから。
土「随分物分かりがいいな」
『この前はちょっと頭に血が上ってたのよ。さ、行こっか?トシ』
こうなったら、あのルイって女に直接聞き出す。
それしか方法がないしね。