第26章 裏表なきは君子の扇かな
総悟とトシが後を追ってくる。
目の前には近藤さんが・・・
『あっちゃ~、挟み撃ち』
私は走るスピードを落とさず、近藤さんに向かっていった。
最初は説得を試みていたのだろう。が、止まる気配のない私を見て、近藤さんは刀の柄に手をかけた。
でも、遅い。
私は一気にスピードをあげ、近藤さんが刀を抜く前に近藤さん愛刀の「虎血」を抜いた。
そのまま振り返り、総悟たちに向きなおる。
居合の要領で、刀を振り、二人の抜いていた剣を一気にたたき折った。
先に唖然とした総悟をラリアットでトシにぶつける。
そして、虎血を地面に突き刺し、向きを変えた直後、
後ろから、声が聞こえた気がした。
「あなたの居場所はここにはないよ」