第24章 ラブレターを渡そう
「あの、すみません!」
『はい?』
「これ・・・土方さんに渡してくれませんか?」
『ある日、ラブレターを貰った』
可愛らしい便箋を、光にかざしてみる。
銀「あら~、お宅の彼氏モテるわね~」
『そ~でしょ。誰かさんとは違って』
皮肉に皮肉で返す。
銀時と散歩(巡回)中に手紙を渡された。
副長宛の。
綺麗な字で「土方十四郎様」と書かれている。
銀「どうすんの?」
『ん~・・・渡すよ』
銀「・・・」
『ただし、中を山崎に見させてから』
銀「・・・悪趣味だね~」
だってさ、もし攘夷浪士からだったらどうする?
開けて、バ~ン!ってなったら責任とれないよ、コレ。
言い合いをしながら、屯所に着く。
『なんで、いるの』
銀「いや、面白そうだし」
『悪趣味だね~』
おじゃましま~す
とか暢気な声でずかずかと上がりこんでくる。
『山崎~』
銀「ジミー」
『ざき~』
銀「ジミー」
『山崎ぃぃぃ!!』
銀「地味ぃぃぃ!!」
山「地味って呼ばないでください!」
と、銀時にツッコミながら登場した、山崎退。
意外と有能。
山「いや・・・意外とは余計です」
『はい、お手紙』
山「え!?誰からですか?」
『女の子』
うわ~、とか感嘆の声をあげながら、宛名を見る。
そして固まる。で、二人で笑った。
銀「何?期待したの?」
『バッカだぁ~・・・アハハハ・・・』
山「いいですよ、どうせこんなことだろうと思ってましたから」
反応薄いな~・・・面白くね~。
山「で、これをどうしろと」
『開けて』
山「ええ!?」
『バーンってなったら怖いもん』
銀「もんって気持ちワリィな」
銀時の足の小指を思いっきり踏みつける。
山「大丈夫ですよ、金属とか入ってないですし」
『開けて』
山「・・・」
『開けて』
なんだよ、その二人して茶化すような目は。
銀「そんなにみたいなら自分で開ければ?」
山「そうですよ~、意外ですね、瑠維さんがこういうの見たがるなんて」
『嫌だ、モテる女としての名が廃る』
山「なんですか、その変な意地は」
もういい、コイツに任せたのが間違いだった。
『いいよ、渡してくる』
山「え!?瑠維さんがですか?」
『うん』
私はジミーの手からラブレターを奪い、副長室に向かった。