第23章 すみませんをかねまして・・・(二年後篇)
『・・・なんですか』
少し拗ねた感じで見上げると、トシは返答に詰まる。
ほんと上目づかいに弱いよね。
土「何もねぇからな」
『聞いてませんけど』
土「ほんとに何もねぇ」
『だから聞いてませんって』
何もねぇ
もう一度トシはそう繰り返した。
だから、聞いてないって!
『副長』
土「あ?」
もういいや、怒るのめんどくさいし
つーか、もうバカらしい
『ここまでみんなを運んだの、私ですよね?』
土「?」
『向上心がなかったとはいえ、私のおかげでここまでたどり着いたわけで』
土「ああ」
意味が分からないといった風な顔。
ふん、今に見てろ。
『ご褒美の一つくらいくれないんですか?』
土「はぁ!?」
『だから、褒美』
いや、自分でも気持ち悪いんだけど、なんか目にものを見せてやりたかった。
土「褒美・・・って」
『休暇・・・』
土「・・・」
『とかムードのないことは言いませんよ』
欲しいんだけどね!ほんとはすっごい欲しいんだけどね!
『ずっと休載してたし』
土「ああ」
『・・・あの~・・・あれです、あれ』
あれだよ、あれ。あれ・・・
『足りないんです』
土「・・・お前」
『副長が』
うわぁぁぁぁ!!キモイ、甘い!
なんだこれは!?
『キスの一つくらい、くださいよ』
恥ずかしい!恥ずかしすぎるよ、コレは。
トシを見上げると、めちゃくちゃ驚いた顔をしていた。
土「お前」
『はい』
土「まだ、寄生されてんのか?」
・・・
『やっぱり』
土「まあ、別に・・・」
『死ねェェェ!!』
空気読めよ、このバカァァァ!!