第19章 人から見るのと自分の判断は違う
出会ったころはまだ幼かった。
今みたいに・・・まあ、発育?(特に胸)もしてなくてチビで、無口な奴だった。
なんでこんなに喋るようになったのかはわかんねぇが。
いつから好きになったのかわかんねぇ。
でも、本当に好きだ。妹みてぇってのもあるかもしんねぇが・・・
女として愛したい。
まあ、叶わねぇけど。
銀「な~んでこんなに好きかなぁ」
『ん?何が?』
銀「・・・お前、俺のことちゃんと意識してる?」
分からないといったように首をひねる。
こいつは弱味を見せようとしない。
本当は誰よりも弱いのに・・・
子供をすっとばして無理やり大人になったような女。
同情かもしんねぇが・・・素直に可哀想と思う。
でも、こいつはそういうのを嫌う。
『・・・してないよ。そんな目で銀時のこと見たくない』
銀「はあ?」
『疑うような目で見たくない。一番私のこと支えてくれたの銀時だし、ぶっちゃけ言って銀時がいなかったら私、多分死んでた』
銀「・・・」
『恋心はないけど、誰よりも何よりも信頼してるし信用してる。いつも支えてくれる銀時が好きだよ』
サラッと言ったな。
そんなことわかってんだよ。お前が俺のこと好きで好きでたまんねぇなんて。
でも、それでもお前はあの野郎を選ぶ。
銀「・・・そうだな」
『それじゃダメ?』
銀「もし・・・俺か土方くんのどちらかが死ななくちゃいけなくて、どっちかしか選べねぇとき・・・お前どうする?」
一番してはいけない質問だな。わかってんだけど・・・聞きてぇ。
『そんなの決まってんじゃ』
銀「・・・」
『二人とも助けるよ』
・・・話聞いてたのか?コイツ・・・
『二人の代わりに私が死ぬ』
銀「!?」
『銀時、私はどっちも好きなの。どっちも大切。だから選べない』
・・・ああ、コイツはそうだった。
自分を犠牲にしてでも人のこと助ける。
そんなバカだった。
別にいいんじゃねぇの?
もう、コイツの手を離しても。
大きくなんのはちょっと寂しいけど・・・
でも、コイツには道しるべなんか必要ねぇ。
自分の足でしっかり歩いて行ける。
そんな女に育ったんだ。
銀「瑠維」
『なに?』
銀「大きくなったな」
妹として、女として
お前の一番になることはできねぇかもしんねぇが。
一番お前のこと見守れんのは俺だよな。
