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苦しみの中の幸せ Part3 [銀魂 土方落ち]

第19章 人から見るのと自分の判断は違う


出会ったころはまだ幼かった。

今みたいに・・・まあ、発育?(特に胸)もしてなくてチビで、無口な奴だった。

なんでこんなに喋るようになったのかはわかんねぇが。

いつから好きになったのかわかんねぇ。

でも、本当に好きだ。妹みてぇってのもあるかもしんねぇが・・・

女として愛したい。

まあ、叶わねぇけど。

銀「な~んでこんなに好きかなぁ」
『ん?何が?』
銀「・・・お前、俺のことちゃんと意識してる?」

分からないといったように首をひねる。

こいつは弱味を見せようとしない。

本当は誰よりも弱いのに・・・

子供をすっとばして無理やり大人になったような女。

同情かもしんねぇが・・・素直に可哀想と思う。

でも、こいつはそういうのを嫌う。

『・・・してないよ。そんな目で銀時のこと見たくない』
銀「はあ?」
『疑うような目で見たくない。一番私のこと支えてくれたの銀時だし、ぶっちゃけ言って銀時がいなかったら私、多分死んでた』
銀「・・・」
『恋心はないけど、誰よりも何よりも信頼してるし信用してる。いつも支えてくれる銀時が好きだよ』

サラッと言ったな。
そんなことわかってんだよ。お前が俺のこと好きで好きでたまんねぇなんて。

でも、それでもお前はあの野郎を選ぶ。

銀「・・・そうだな」
『それじゃダメ?』
銀「もし・・・俺か土方くんのどちらかが死ななくちゃいけなくて、どっちかしか選べねぇとき・・・お前どうする?」

一番してはいけない質問だな。わかってんだけど・・・聞きてぇ。

『そんなの決まってんじゃ』
銀「・・・」
『二人とも助けるよ』

・・・話聞いてたのか?コイツ・・・

『二人の代わりに私が死ぬ』
銀「!?」
『銀時、私はどっちも好きなの。どっちも大切。だから選べない』

・・・ああ、コイツはそうだった。

自分を犠牲にしてでも人のこと助ける。

そんなバカだった。

別にいいんじゃねぇの?

もう、コイツの手を離しても。

大きくなんのはちょっと寂しいけど・・・

でも、コイツには道しるべなんか必要ねぇ。

自分の足でしっかり歩いて行ける。
そんな女に育ったんだ。

銀「瑠維」
『なに?』
銀「大きくなったな」

妹として、女として

お前の一番になることはできねぇかもしんねぇが。

一番お前のこと見守れんのは俺だよな。
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