第19章 人から見るのと自分の判断は違う
群青色の髪、金色の瞳、切れ長だが大きな目、長いまつげ・・・
だれがアイツを見ても美人だというだろう。
まあ、それが俺には気に食わねぇが。
『近藤さん、この書類お願いします』
近「あ、わかった。・・・瑠維ちゃん、少しやせた?」
『あ・・・それ、副長とか総悟とかにも言われました』
近「ちゃんと食べなきゃダメだよ?」
『食べてるつもりなんですけどねぇ』
楽しそうに話す瑠維。
こいつは、器用に仕事をこなし、男に媚を売る技を熟知しながら出世の階段駆け上る女だ。
綺麗な外見とは裏腹に、真っ黒な腹の中を隠し持ち、意外と子供っぽかったりもする。
はっきり言って、とらえどころのわからねー女。
『あ!副長!』
でも、こんな風に嬉しそうに、俺の姿を見つけたら顔をほころばす可愛げも持ち合わせた女。
土「どうした?」
『え?いや・・・特に用事はないですけど・・・』
土「呼んだだけ・・・ってことはねぇよな?」
『アハハハ・・・すいません』
笑いで誤魔化す。
こんな女のどこに惚れたのかよくわからねーが・・・
『そういえば、総悟知りません?』
バカみたいに真っ直ぐで、不器用で・・・
『副長?』
本当にいろいろ抱え過ぎて、今にも壊れそうなコイツを
『だいじょ~ぶですか?』
ただ純粋に守りてぇと思ったんだろうな。
土「瑠維」
『はい』
土「守ってやる」
『・・・頭大丈夫ですか?』
やっぱ可愛げねぇわ、コイツ。
『・・・仕事のしすぎなんですよ。少しは休んでください』
と思ったらこうやって心配してくる。
だから男が群がってくるんだよ。
カリスマ性があって、顔もよくて、スタイルもいい、言葉遣いは乱暴だが、心の底から人の幸せを願う。
そうコイツに言ったら、なんて返してくるだろう。
きっと
『それって自分のこと?』
とか
『気持ち悪いんだけど、マヨネーズの摂り過ぎ?』
とか憎まれ口をたたいてくるんだろーな。
でも、それでも悪かねぇ。
『私もトシのこと護るよ』
こうやって女らしくねぇ・・・
でも、本当にやってのけるこのバカに
『おわっ!?いきなり抱き着かないでよ!!』
心底惚れてんだからよ