• テキストサイズ

苦しみの中の幸せ Part3 [銀魂 土方落ち]

第19章 人から見るのと自分の判断は違う


群青色の髪、金色の瞳、切れ長だが大きな目、長いまつげ・・・

だれがアイツを見ても美人だというだろう。

まあ、それが俺には気に食わねぇが。

『近藤さん、この書類お願いします』
近「あ、わかった。・・・瑠維ちゃん、少しやせた?」
『あ・・・それ、副長とか総悟とかにも言われました』
近「ちゃんと食べなきゃダメだよ?」
『食べてるつもりなんですけどねぇ』

楽しそうに話す瑠維。

こいつは、器用に仕事をこなし、男に媚を売る技を熟知しながら出世の階段駆け上る女だ。

綺麗な外見とは裏腹に、真っ黒な腹の中を隠し持ち、意外と子供っぽかったりもする。

はっきり言って、とらえどころのわからねー女。

『あ!副長!』

でも、こんな風に嬉しそうに、俺の姿を見つけたら顔をほころばす可愛げも持ち合わせた女。

土「どうした?」
『え?いや・・・特に用事はないですけど・・・』
土「呼んだだけ・・・ってことはねぇよな?」
『アハハハ・・・すいません』

笑いで誤魔化す。
こんな女のどこに惚れたのかよくわからねーが・・・

『そういえば、総悟知りません?』

バカみたいに真っ直ぐで、不器用で・・・

『副長?』

本当にいろいろ抱え過ぎて、今にも壊れそうなコイツを

『だいじょ~ぶですか?』

ただ純粋に守りてぇと思ったんだろうな。

土「瑠維」
『はい』
土「守ってやる」
『・・・頭大丈夫ですか?』

やっぱ可愛げねぇわ、コイツ。

『・・・仕事のしすぎなんですよ。少しは休んでください』

と思ったらこうやって心配してくる。

だから男が群がってくるんだよ。

カリスマ性があって、顔もよくて、スタイルもいい、言葉遣いは乱暴だが、心の底から人の幸せを願う。

そうコイツに言ったら、なんて返してくるだろう。

きっと

『それって自分のこと?』

とか

『気持ち悪いんだけど、マヨネーズの摂り過ぎ?』

とか憎まれ口をたたいてくるんだろーな。

でも、それでも悪かねぇ。

『私もトシのこと護るよ』

こうやって女らしくねぇ・・・

でも、本当にやってのけるこのバカに

『おわっ!?いきなり抱き着かないでよ!!』

心底惚れてんだからよ
/ 250ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp