第3章 自分を見つめ直す時は人に聞け
月の綺麗な晩だった。
私は動けない、体が上手く動かないのだ。その原因は、縛られた手首と今起こっている事が理解できないからだ。
『っ・・・・!!』
声が上手く出ない、動かしたいのに動かない。
待って!!止めて!!
お願い連れて行かないで!!お願いだから!!
振り返り、何か一言いった。
聞こえているはずなのに聞こえない。どうして!?どうして!?
高「憎いだろ?お前も獣を飼ってんだ。放したら楽になるぜ?今よりもずっとな」
高杉の声が聞こえてくる。私の黒い部分に話しかけるようにして。聞きたいことが聞こえない。聞きたくない事が聞こえる。
私が・・・
ワタシガ、ソウノゾンデイルカラ・・・
背後で声が聞こえた、振り向くとそこには、幼い私が血まみれになって立っていた。
ニクイナラ、コロセ。ウラメシイナラ、コロセ。
オマエハ・・・ケガレテイル