第28章 オトリの凄さ
桜太にぃや慧太にぃまでが、オッサン扱いになっちゃうから。
···慧太にぃに関しては、オヤジギャグとか言うから否定できない所もあるんだけどね。
嶋「あぁ~、そっかそっか。紡ちゃんはあの恐ろし双子の妹ちゃんだったよな」
ブラックツインズの次は、恐ろし双子?!
絶対そんな事ないんだけど?!
嶋「あ、じゃあさ?嶋田さん!とか、誠さん!とか?···まこちゃん!とか?···どうよ?オレのオススメは1番最後なんだけど」
『···嶋田さんで』
嶋「アッサリ普通呼び?!」
だって、オススメの呼び方なんて···ハードルが高いですから。
···2個目もだけど。
嶋「繋心の事は呼び捨てなのに、オレは嶋田さん呼びとか···」
『それは···繋心は私が小さい頃からハゲつる繋心だったからで、アイタッ!』
繋「おいチビッ子!誰がハゲつるだ。それにお前が小さい頃だぁ?お前は今でも小さいだろが!」
繋心にデコピンをされた場所を押さえながら、小さく睨むと、ケッ!と返された。
繋「お前らも、マジでサンキューな!ホントはオレも混ざりたかったけど、仕方ねぇ。またなんかあったら頼むわ!···で、チビッ子は集合な。マネなんだろ、ちゃんと仕事しろ」
『ちょっと、まるで私がサボってるみたいな言い方!』
デコピンのお返しに繋心の背中をパシンと叩いて、私は体育館に入って行くみんなを追い越して、清水先輩の隣に並んで繋心の話に耳を傾けた。
繋「とにかく···レシーブだ。それが出来なきゃ始まんねぇ。明日から、みっちりやるからな!」
「「 ···ッス!! 」」
明日から···みっちり···
繋心がどんな風にコーチをするのか分かんないけど、みっちり···って言葉を使うあたり、みっちり···何だろうなぁ。
···頑張れ、日向君。
あと、月島君もね。
澤「ありがとうございました!」
「「 したーーーっ!! 」」
繋「おう、ストレッチサボんなよ!」
澤「ストレッチ!!」
澤村先輩の掛け声に、みんなが纏まって酷使した筋肉を解し始める。
明日からは、コーチがいる。
···ハゲつる繋心だけど。
それでも大人は大人。
もし、一人じゃ大変だって時には、桜太にぃや慧太にぃにも頼んでみるのもアリかな?
時間さえ取れれば、の、話だけど。
全てはみんなの頑張り次第。