第28章 オトリの凄さ
~日向side~
西「全然ジャンプ出来てないじゃないですか!1ヶ月もサボるから!」
旭「···すみません」
菅「厳しいなぁ、西谷」
ネットの向こうで、エースの復活を見た。
スゲェ···ただ、それしか言えない自分が情けないとは思う。
澤「でも、ベテランの町内会組に加えて旭の復活となると···いよいよ俺たちは厳しいぞ」
厳しい···か。
でも···
田「なぁに言ってんスか大地さん。コッチには、」
「こっちにはオレがいますよ!」
あ、あれ?
澤「え、なに?」
田「被ってんじゃねーよ!!せっかくのオレのカッコイイ台詞がグダグダだよコノヤロー!」
「す、すんません!!」
や、ヤベぇ···思わず前乗りに言っちゃったから田中先輩に怒られた···
ー ナイッサー! ー
澤「縁下!」
試合の続きが始まって、町内会チームからサーブが打たれて来る。
縁下さんがレシーブしたけど···
澤「カバー!!」
影「はいっ」
お?
影山がフォローに入るとか···って、事は?
···オレの出番だ!
いつものようにコートを走り、いつものように全力でジャンプする。
振り下ろした腕には、そこにタイミングピッタリの···影山のトス!
手のひらの中心にズシリと重い衝撃が来て。
直後に審判の笛が鳴る。
···やった!決まった!
旭「···大げさな事を言ってる訳じゃなかったんだな···」
どうだ!ビックリした??旭さん!
ちょっとだけ誇らしく胸を張り、真っ直ぐに旭さんを見た。
西「スゲーじゃねぇか翔陽!何だ何だ?うっかり見入っちゃったぞ!」
「え···へへへへ···」
褒められた!
西谷先輩に褒められた!
ヤベぇ、超気持ちいい!
繋「ぅおいっ!!」
余韻に浸っていると、コーチの人が急に声をかけて来た。
繋「いまなんでソコに飛んでた!チンチクリン!」
「チン···ど、どこにいてもトスが来るから、です」
チンチクリン···って、オレの事か?
オレが答えると、コーチの人は少し考え込んで、今度はオレと影山を交互に見た。
繋「何だお前ら!変人かっ?!」
···変人?
「なんで?」
そばにいた影山に聞けば、知るかと言われてそっぽを向かれてしまう。
影「もう1本決めるぞ!」
「おうっ!」
今度はコッチがサーブ!