第27章 小さな太陽と大きな背中
『影山~!お願いがあるの!!』
体育館に戻った私は、着替えをすませ足取りも軽やかに休憩中の1年組のところへ向かう。
影「···なに」
『あのね、大地さんが紅白戦に入れてくれるって!だからさアップちゃんとやれよ?って』
影「···で?」
『···アップ手伝って?』
影「は?なんで俺が?!」
『だって···背中とか押してくれる人いないんだもん』
菅原先輩が名乗りを上げてくれたけど、澤村先輩が桜太にぃに顔向けできなくなるからとか。よく分からないこと言ってたし。
そうなると影山が1番頼みやすいというか···
影「めんどくさ」
『そこを何とか!』
影「うるせぇよ」
···なんか不機嫌?
そんなに練習キツかったのかな?
菅原先輩がこっそり電話してくる程に···
それならそれで、きっちり休憩させてあげたい気もする。
この後が紅白戦だと思えば、尚更。
『分かった。自分で頑張るから、影山は休憩していいよ』
私達のやり取りを見ていた山口君が、手伝うって言ってくれたけど、山口君も紅白戦なら出るんだから休んでて?とやんわりと言って体育館の隅っこに移動した。
軽く体操をこなして柔軟を始めると、目の前に影が落ちる。
顔を上げると影山がいて、私をじっと見下ろしていた。
『えっと。なに?かな?』
影「別に。気まぐれで背中押してやろうと思っただけ」
『あ···ありがとう』
黙ってグイグイと背中を押されながら、体を解していく。
っていうか、力いっぱい押さないでよ!と言いたいけど、機嫌を損ねそうで言えない。
影「お前、なんかあったのか?」
『なんかって?』
影「お前が妙にカラ元気の時は、だいたい···そういう時だ」
···私って、そんなに分かりやすい?!
影「だから···」
『後で、話すよ。今は久々の紅白戦を楽しみたいから』
影「何かナマイキ」
『なんでよ!ぐぁっ!···お、重い!影山重いって!!』
突如ズシリと背中に重みが来て、開脚状態で床にペタリと貼り付く。
影「あ、靴紐ほどけた」
『ちょっと!?影山聞いてる?!』
私の背中に腰掛けたまま靴紐を直し始める影山に叫ぶ。
『重い···潰れる···』
影「んなワケあるか!ったく、ほら立てよ」
無愛想に差し出された手を掴み、立ち上がる。