第27章 小さな太陽と大きな背中
~澤村side~
えっと、確かよく飲んでいたのは?
あった!コレだ・・・紡が好きなミルクティ。
同じ物を2本買い、待ち合わせした場所へ向かう。
特に行き先は決めてなかったから、待ち合わせと行っても昇降口、なんだけどね。
それにしても、大事な話があるって言ってたけど。
まぁ、告白の類ではない事は、昨日の時点で悲しくも判明してるけどね。
そもそも、恋愛対象ってどんな?
見た目がカッコイイとか?
それなら青城の及川みたいな感じか?
及川の爽やか笑顔を思い浮かべてみる。
・・・俺にはムリだ。
じゃあ、優しいとか?
そうするとスガ・・・いやいや。
スガは確かに優しいと思うが、なんせスキンシップ多すぎるからな。
女子に警戒される事もあるんじゃないのか?
男らしい、とか、どうなんだ?
男らしい・・・男らしい・・・う~ん・・・
どうしても、なぜか西谷がチラつく・・・
アイツ、小柄ではあるが誰よりワイルドで男らしいからな。
竹を割ったような性格、というか。
男女先輩後輩関係なく、言うべき事はハッキリ言うとか。
そこんとこは、紡と似てるような・・・
後は、穏やかな性格・・・とか?
そう言えば・・・あまり良くは知らないけど、青城のあの1年はおとなしそうな感じだったな。
えっと・・・名前は確か、国見?だっけ?
あ、でも!
穏やかな性格・・・と言えば、ウチにもいるよな?
縁下とか、山口とか?
月島は穏やかってより、人とのコミュニケーションを取らない無口なタイプ、だよな?
って事は・・・つまり・・・
縁下と山口・・・侮り難し、って事か。
・・・要注意人物だな。
スガも含めて。
待てよ?
影山はどのタイプに入るんだ?
紡は影山に対していろいろと信頼を置いているようにも見えるし、何より部内では仲の良さは1番だと言えるだろう。
とりあえず、どれも俺とは程遠いじゃないか?
俺のイメージって・・・いったいどんなだ?
ー 大地はホント、お父さんみたいだよなぁ ー
常々スガが俺に言う言葉が脳裏を掠める。
・・・お父さん。
お父さんって恋愛対象から1番遠いじゃないか?!
ん?
でも女の子ってのは・・・父親に似たタイプを好きになるとか、田中達が読んでた少しいかがわしい雑誌に書いてあったな。