• テキストサイズ

【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第26章 交差する想い


ポツリと零し、私はシートに背中を預けた。



途中、慧太にぃがみんなへの差し入れを用意してくれて、遂に体育館前へと着く。

私は慣れない松葉杖で何度もつまづきながら進み、体育館の前で深呼吸を繰り返した。

なんか・・・緊張する・・・

慧「入らねぇのか?オレ、重いんだけど」

荷物を全部持ってくれている慧太にぃが、ニヤリと笑いを見せながら私の背中を押してくる。

『ま、待ってよ・・・なんか緊張して来て、心の準備してるんだから!』

慧「アホか!早くしねぇと溶けんだろ。せっかく凍ってる飲み物買ったのに常温にする気かよ」

・・・そうだった。

暑いし喉も乾くしって、慧太にぃと相談して凍らせてあるドリンクを少し多めに買って貰ったんだった・・・

もう1度、大きく深呼吸してから、意を決して体育館扉の前に立つ。

よし・・・開け・・・開けるぞ!

松葉杖を片方に寄せ、扉に手を伸ばすと・・・私より一瞬早く・・・扉がガラガラと開けられた。

菅「みんな水分補給ちゃんと・・・うわっ?!」

『危なっ・・・』

急に開けられた扉から、菅原先輩が後ろを見たまま進み私と衝突した。

カラン・・・と松葉杖が転がっていき、私も次の衝撃に目を瞑る。

・・・あ、あれ?

衝撃が・・・来ない?

というより・・・恐る恐る目を開けると、至近距離に菅原先輩の顔があった。

菅「あ、危なかった・・・」

抱きしめられる形でその場は収まり、お互いにケガがない事を確かめあった。

菅「・・・紡・・・ちゃん?!紡ちゃん!!」

『菅原先輩、苦し・・・』

菅原先輩の声で、みんながわらわらと集まって来る。

影「城戸・・・」

菅「あぁ、この感触・・・間違いなく紡ちゃんだ!!・・・いってぇ!!」

スパーンという音が鳴り、菅原先輩が悲鳴をあげる。

こういう時は・・・たいてい・・・やっぱり!!

清「菅原。セクハラ厳禁」

清水先輩!!

懐かしくも思える光景に、小さく笑いを漏らした。

慧「はいはい、菅原君よぉ?熱い抱擁はオレがいない時に頼むぜ」

菅「けっ、慧太さん?!」

慧太にぃの姿を見て、菅原先輩が慌てて体を離す。

慧「影山、重いから早く受け取れ。オレ達からの差し入れだ」

影「アザッス!!」

手荷物を影山に向け、ズッシリとした重さから解放されると、慧太にぃはひとつ大きく伸びをした。



/ 1471ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp