第23章 それぞれの誤算
日向君と、様子を見に行ってた田中先輩も戻り、いよいよ試合開始の時間になった。
しばらく姿を見せなかった日向君は、未だにおかしな言動で緊張してるってことは・・・パッと見ただけで分かるくらいなんだけど・・・
それにしても、緊張し過ぎだよ・・・
場の空気に飲まれてしまっている日向君を不安に思いながら、青城から渡された今日のメンバー表を記録する。
1番ー岩泉、2番ー松川、3番ー花巻、5番ー矢巾、6番ー金田一、7番ー国見、Lー渡・・・
書き写しながら、そこに見慣れた名前がない事に気付いた。
そう言えば、ここに来てから姿がなかった。
いつもなら、どこにいようと私を見つけると、
《 紡ちゃーん!! 》
って叫びながらやって来ては、ところ構わずハグしてくるのに。
昨日ので、嫌われちゃったかな?
もしそうだとしたら、それは仕方ない・・・か。
“ それでは、烏野高校 対 青葉城西高校の練習試合を始めます! ”
「「お願いします!!」」
審判係の声に、日向君がビクッと体を震わせる。
あわあわして、ガチガチに緊張して、顔色も真っ青・・・
おまじない、効かなかったのかな。
澤「おい日向、しっかりしろ」
日「はぃ!しっかりするの頑張ります!」
澤「あ、いや・・・とにかく落ち着け・・・」
・・・大丈夫、じゃないよね。
影「おい日向!分かってんな?この前の3対3と同じ感じで、」
日「わぁっ、わかってる!!」
影「・・・ほんとか?」
なんか・・・
全然大丈夫じゃない・・・
ー ピッ! ー
あ、サーブが来る!
青城1発目のサーバーは・・・松川さんだ!
プレーしてるの見たことないけど、青城の3年でレギュラーだし、それなりにいいサーブ打つなぁ。
澤「オーライ!」
日「ぅわぁぁ!!」
あっ!日向君?!
審判のホイッスルやボールに過剰反応して、澤村先輩の声も聞こえていない日向君は、サーブカットする準備が出来ている澤村先輩の前に飛び出してしまう。
影「バカか!!どう見てもオメーのボールじゃねぇだろ!」
その行動に影山も驚き、日向君はごめんなさ~い!なんて声を漏らした。
澤「縁下カバー!」
縁「田中!」
後ろにいた縁下先輩がフォローに入り、田中先輩へとボールを繋ぎスパイクを打つ。
でも!
最初からブロック3枚?!