第6章 1歩前へ・・・
向こうは向こうで、私がベタベタに甘えると、何だ何だ~と言いながらも思う存分に甘えさせてくれた優しいじっちゃ。
思い出すと、懐かしいやら、恥ずかしいやら・・・
桜「ま、とりあえずはさ、推薦断って普通に受験するんだから明日からガッツリ勉強して貰わないとね~。紡はその辺りは心配ないけど、ね・ん・の・た・め・・・・・・ね?」
『・・・、ぜ、善処します・・・』
久々に垣間見る桜太にぃの黒い微笑みに見て、背中に冷や汗を流す。
その夜は、そこでお開きとなりお互い飲み干したカップを洗って自室に戻った。
私は自分の部屋に戻る前に、怒らせてしまったかも知れない隣の住人である慧太にぃの部屋を静かにノックした。
が、部屋にいるのは分かっているのに、何の応答もなく、慧太にぃゴメンねと呟くと自分の部屋に入った。