第17章 陽だまり
なんだ・・・
何かいろいろバレてるんじゃん。
・・・なんで分かるんだろ。
でも、まぁいっかと流し込み笑ってみせた。
桜太にぃが用意してくれたお弁当も、マグボトルと水筒が2本出してあるのを見ると、それも嬉しい気持ちへと変わっていった。
私は朝食をテーブルへ運び、慧太にぃにはコーヒーを落としてあげながら食べた。
食器を片付け、支度をするために部屋に戻った。
制服に着替え、これからの事を考える。
今日、体育館へ顔を出したら。
まずは私なりに出した結論を澤村先輩達に話してみよう。
もしかしたら、面倒なやつだと思われるかもしれない。
でも、それでもいい。
私が私なりに悩んで、そして考え出した答えだから。
まず、そこから。
いつものリュックにいろいろ詰め込み、それを掴んでリビングへ戻る。
お弁当に、マグボトルと水筒を押し込み、最後にすぐ使うだろうシューズを押し込み、閉じる。
よし、準備は出来た!
さっきまでリビングにいた慧太にぃも、出勤する支度の為か部屋に戻っていていない。
今のうちに出かけてしまおう。
捕まるとまた、何かと構われてしまうから。
そっとリビングから出て、玄関までをそろりと歩く。
玄関に行ったら静かに靴を履いて、出る時に慧太にぃに声をかければいいよね。
靴箱から静かに靴を取り出し、扉を閉める。
慧「・・・紡、バレてんぞ?」
『うわぁぁぁっ』
不意打ちで声を掛けられ、驚きのあまり手に持っていた靴が宙を舞う。
ザッと振り返り、声の主の居場所を探す。
後ろにも、横にも、いない?!
キョロキョロと見回していると、私の行動がおかしかったのか、慧太にぃが笑い出した。
慧「おい、ここだよ、上見ろよ」
言われる通りに見上げると、階段から繋がっている吹き抜けから、慧太にぃが頬づえをつき笑っていた。
『い、い、いつから?!』
隠し切れない動揺を見せたまま、散らばった靴を集めた。
慧「いつからって、紡がリビングのドアを閉めて歩き出した辺り?」
そう答えながら、慧太にぃは階段を降りてきた。
リビングのドア閉めて歩き出した所から・・・って、それ最初っからじゃん・・・
見られてたとは気付かず、浅はかな行動をしていた自分が・・・恥ずかしい・・・
『み、見てたならさ、もっと早く声かけて欲しかったよ。悪趣味だよ!』