第13章 決戦前日
影山と日向君が言うなら分かるけど、なんで慧太にぃまで?
あまりの熱血ぶりに笑いが込み上げる。
桜「うん、それは分かってるよ?でも、明日が本番だったよね?それなら、今日はこれ位にして、後はゆっくりと過ごす方がいいと思うから」
そう言って桜太にぃは3人を納得させ、時間をかけてストレッチする様に促した。
それから2人に着替えを持ってきたか確認すると、食事の前にシャワー浴びてスッキリしておいでと笑った。
桜「紡?片付けは俺達4人でやるから、紡は先にシャワーしておいで?慧太達はまとめて入ることも出来るけど、紡はそういう訳にはいかないでしょ?」
そう言われ私は、じゃあ後はお願いと言ってその場を離れた。
1人シャワーを浴びながら、遂に最後の練習も終わってしまったなぁ・・・などと考える。
明日からの生活は、きっとビックリするほど正常運転で、それでいて、時間が長く感じたりするのだろう。
『なんか、つまんない』
無意識に出た言葉に驚く。
つまんないって、何?
ごく普通の女子高生の生活を望んだのは私じゃん。
刺激的な毎日を望んでいたなら、きっと烏野には行かずに、いくつかあった推薦高で部活に励む日々を送っていたはず。
普通が1番。
平凡が1番。
それは私が希望した新しい道。
頭の中で何度も何度も、呪文のようにくり返しながらシャワーを止めた。