第39章 聳え立つ壁
それは当然、青城も分かってるだろうから。
だからいつも、どんな試合だって全力のはず。
それを指示するのはやっぱり及川先輩であり、監督の意見を取り入れつつ及川先輩は自分なりのデータ収集で分析してみんなを引っ張ってる。
普段チャラ男だとかいろいろ言ってた岩泉先輩だって、そう言う部分はちゃんと評価してるのが、実績を伴ってるって事だしね。
練習試合でギリギリ勝てた相手でも、それは最初から及川先輩がいた練習試合ではない。
あの練習試合だって、最初から及川先輩がいたとしたら烏野は勝てなかったかも知れないんだもん。
でも、今の烏野はあの練習試合の時とは違う。
西谷先輩だっているし、何よりエースと呼ばれる東峰先輩もいる。
大きな大会にはモンスターが現れるって言うけど、そのモンスターが烏野でありますように。
そう願いながら、私は記録ノートに文字を綴っていた。