• テキストサイズ

【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第35章 閉じた思いと、叶わぬ想い


そんな後ろ姿を見送って、ガサリとコンビニの袋からビタミンドリンクを出して口を付ける。

何度も、何度も口をつけては、枯渇した心に染み渡らせた。

大会会場で、か。

そもそもまだ対戦表さえ出ていないのに、負けませんと言い切る当たりがアイツらしいな。

どんなときも、どんなことも。

全力で、駆け抜けていた小さな姿。

今度は、誰かのために駆け抜ける姿を···見守ることになるんだ。

「行くか」

ペットボトルをゴミ箱に放り入れながら、来た時よりも人影が少なくなった公園内を歩けば、ポツリ、またポツリと滴が地面を濡らして行った。

雨···か?

立ち止まり見上げれば、空からはいくつもの滴が降り注ぎ始め、やがてそれは粒を大きくして辺りをを濡らしていく。

···皮肉か?

あの日も確か、ここからの帰り道に雨にやられて。

びしょ濡れになって···帰ったんだったな。

あの日も。

···今日も。

同じ雨に打たれながら、家までの道を進む。




しばらくはまた···あの場所へ足を運ぶことはなさそ
うだ。




角を曲がる前に1度振り返り、遠くに見える公園を見て···小さく息をついた。
/ 1471ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp