第12章 超絶?!秘密の特訓開始!
翌朝、秘密の早朝練習を終えて、教室がある校舎へ続く渡り廊下で、私は昨日の桜太にぃの提案を2人に話してみた。
すると2人はとても驚き、日向君に至っては、そんな特別練習させて貰えるなら行きたい!とワクワク顔で言った。
影山は影山で、普段通りのイマイチ読めない表情を見せつつも、私をチラリと見る。
影「いいのか?」
『大丈夫だよ。ただ、ちょっと条件があってね・・・』
そう言って私は、2人に桜太にぃから言われた条件を話す。
『まず、学校終わってからの事だから、必ず家に連絡をして承諾を得ること。それから、絶対にケガをしないように無理しないこと。だって。あ、それから、練習終わった後にご飯食べて帰りなさいとかも言ってたよ?』
桜太にぃからの言葉を言い伝えた直後に、2人はそれぞれ家に連絡を入れ承諾を得ていた。
は、早いな、行動が。
その後は、予鈴がなるまで3人で放課後の事を話し続けていた。
・・・・・・そして放課後・・・・・・
終礼のチャイムが鳴り終わった直後、バタバタと音をたてながら日向君がやって来る。
ホントにバレーが好きなんだなぁと薄く笑いながら、帰り支度をして近付いて来た影山と教室を出た。
学校を出て、途中にある個人商店を通過する時、私はふと思いつき、2人を外に待たせて店内に入る。
横引きの扉をガラリと開けると、店内で咥え煙草をしながら店番をするお兄さんがいた。
「いらっしゃい」
金髪頭でツンツンヘアー、更には咥え煙草。
片方の耳にはたくさんのピアス・・・
まぁ、そんなの家に帰ったら似たようなのがいるから、とりわけ怖いとかそういうのはないんだけども。
なんか、どこかで会ったことあるような・・・ないような?
あまりジロジロ見るのも失礼だと思い、手短に大袋のマシュマロと濃いめの牛乳2本、そして粉末タイプのココアを買って店を出た。
買い物袋を抱え出てきた私を見て、影山が手を伸ばし、持ってやると名乗りをあげた。
すると日向君が押していた自転車を止め、カゴを指差す。
日「城戸さん、それ、ここに入れなよ?」
『え?でも、大した荷物じゃないから大丈夫』
言い終わる前に、影山が荷物をスルッと受け取り、日向君の自転車に乗せた。
影「日向がいいって言ってんだから、大人しくそうしとけ」
日「そうそう!任せといて!」