第1章 チョコ好きカップル
放課後、あたし自身も夏の文化祭の時点で部活は引退していたから何の用事もなくある場所に向かう。
『覚?』
「あっ、紅葉ちゃん♡早かったねェ~」
たどり着いたのは、学生寮の1室。厳密には覚の部屋。
あたしと覚は、去年の夏に友達の伝手で知り合った。その時丁度チョコ菓子を食べていて彼もチョコが好きでそこから仲が良くなった。
それから頻繁に一緒にチョコを食べたりチョコアイスを食べに行ったりを繰り返しているうちに彼に告白されて付き合っている
そして、約1年付き合っているあたし達の密かなルール。それは・・・
「じゃあ今日もやろうか♡」
『もぉ…ヤりたくなるたびに指舐めるのやめてよ…』
・・・ルールというか暗黙の了解。
こいつは意外と…いや見た目通り性欲妖怪。指舐め、唐突なほっぺにチュー、手にチュー…そういうあたしの身体に口付けをした時は《やりたいから俺の部屋来て》という合図。最初は言ってくれたけど半年くらい経ったときから暗黙のルールになった。
「でもちゃんと来てくれるから優しーよねぇ~♡」
『…前無視した時あんた何したっけ?』
「んん~?忘れちゃったwww」
またこれだ・・・
あたしは1度、覚からの誘いを無視して友達と遊びに行ったことがあった。彼は丁度部活中だったからそんなに怒られなかったけど、その後日部活のない時に・・・あぁ、今思い出してもアレは辛かった・・・