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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第15章 母と私


――嗚呼、この匂い、懐かしい、どこかで、知った……。

「わたくしと他の方を重ねていらっしゃいませんか?」

つい、そんなことを言ってしまった。言える立場じゃないのに。
そんなこと、相手の勝手じゃないか。
他の人ならまだしも、彼にそれをされるのはなんだか嫌だった。
何故かわからない。何故だろう。
彼はそれを否定し、肯定した。
悲しくて涙がどんどん溢れた。
彼は困ったように謝って、抱きしめてくれた。
でも悲しかった。自分はやっぱりいらない存在なんだ、存在してはいけないんだ。
彼を困らせた、悲しませた、謝らせた。
それがどうしても悲しくて、泣くのを止められなかった。
眠りについた頃、懐かしい匂い。温かい。
大切な、どこかにしまった記憶の彼方。
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