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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第3章 新しい家族と少女


「名前を知ったところで、こいつがなんなのか調べておけ。」
「えー!またそんな勝手な…」
「……。」
「……。了解…。」
帰り際、ウボォーギンだけが黙って肩を叩いてくれた。

アジトからそう離れていないところに、明るい街があった。
今滞在しているらしいホテルにチェックインをしている。
ルルは初めて見る町の景色や、ホテルの内装、ふかふかの絨毯に興味津津だった。
「はぐれるぞ、こっちだ。」
鍵を受け取ったクロロは、フロント前のホールできょろきょろしていたルルの小さく白い手を握り、
エレベーターの方へ向かった。
エレベーターが上の階へ上がっていく。
ガラス張のエレベーターから見える夜景は、たくさんの宝石に光をあてて乱反射させたように輝いていた。
ふと、情報収集の為に様々な女とこのエレベーターに乗って、騒がしいだの煩いだのと思っていたが、
ルルが無言で食い入るようにエレベーターの外を観ているので、気になってしまい、一緒に窓の外を眺めた。
彼女は、急に後ろに立ったクロロに視線を合わせようと振り向く。
「なんか観えたか?」
ルルは肯定の意味を示すように首を縦に振る。
まるで子供のように、身振り手振りで必死に言いたいことを伝えようとするが、
クロロがルルの頭をやさしくなでると、おとなしくやめて、また外の景色を観た。

数分後、ようやく着いた最上階の端の部屋に、二人は入って行く。
かなり広く大きな部屋に、キングサイズのベッドが真ん中に置いてあった。
シーツも掛け布団もしわ一つなく整えられ、机にも窓にも埃一つなく掃除が施されていた。
「悪いな、しばらくはここで生活してもらうことになる。好きな物とか買ってやるから、我慢してくれ。」
まあ居心地は悪くないさ、と呟きながら、荷物を床に下ろしてベッドに彼は腰かけた。
「腹減ってないか?何か頼むか。」
ルームサービスのメニューを開くと、手でルルを呼び寄せる。
それに誘われるかのように彼女はクロロの横に腰かけ、メニューを覗き込んだ。
「何が好きなんだ?」と聞くもむなしく、彼女はメニューをじっと睨みつけ、たまに眉間に皺をよせ、
何やら困っている様子を見せてくる。
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