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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第12章 声と少女


現実を拒否するために出た、やっとの一言だった。
「先程名前をお呼びになりませんでしたか…?ルルです。ルル=カヅキ。」
「…!母親は…?」
「…母はルリアです。ご面識あられるのですか?」
淡々と話しているルルは、最後に会った時より、いきなり大人びてしまっていた。
まるで別人だ。
契約破棄、戻る代償、ということは。
「記憶が、本に契約する前…?」
遠くからヒソカの笑い声と、
「ピンポーン!」
と人を馬鹿にしているとしか思えない正解音を声に出したものが聞こえる。
「契約破棄、つまり、契約中のことを無かったことにする。素晴らしい本でしょ?
因みに、名前を書いたことすら記憶に残らないから、彼女はもう団長のことを知らないんだよ。
怒りたい?怒り狂って僕を殺したいと思わない?くくく、これでやっと本気の君と戦えるよ…!!興奮するよぉ!」
ヒソカが電話越しで話していることがまるで理解できない。
言葉が頭を素通りする。


依存した結果だった。
だから知りたくなかったんだ。
愛情とか恋慕とか。
ほら、邪魔になるだけ。
いらないものなんだ。
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