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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第10章 月潮と少女 裏


ホームに戻ったのは明け方だった。
まだ朝日が昇っていない時間だったが、いつも通り居間にはパソコンの前のシャルがいた。
「おかえりー、どこ行ってたの?」
「ネオン街。」
「はあ?」
「なんか変なこと言ったか?」
「違う違う、そういうことじゃなくて。ルルちゃんがいるのに?」
「生理中だろう?」
シャルはなんで自分が言いたいことが伝わっていないのか少し眉間に皺を寄せて考え込んでしまった。
「まあ団長の性欲じゃしょうがないよね!」
と明るく言われたが、全く何がしょうがないのかわからない。
「結局金だけ渡して帰ってきたがな。」
「それはそれで意外。」
なんなんだこいつは。だがもう疲れるだけの外出だった。
部屋に戻って寝ようと思い、部屋を開けると布団で寝ているはずのルルがいなかった。
眠気がすっかり覚めた。慌てて居間に戻り、
「ルルがいない!」
と叫んでしまった。
「え?外出て行ったの見てないけど?気配も感じなかったよ?」
おかしいと思い、再び部屋に戻り、窓を見るとそこが少し開いていた。
窓から外を見渡すように円を行うと、半径500m程の位置でルルの気配を感じ取ることが出来た。
「一人でいると危険だといつも言っているだろうに…。」
珍しくルルの苛々した。
こんなに不安にさせる存在は、こんなに大事にしておきたい存在は、彼女しかいないのに。
なんでそれをわかってくれないんだ。そんなにわかりにくいか。
もやもやしながら彼女の気配を辿って行く。
ホームから離れて少しの所に、スラムのような公園が一つあった。
迷子になってそこまで行ったのだろう。
そこのブランコに彼女は腰掛けて呆然としていた。
「ブランコ、乗り方知ってるのか?」
俺がそう聞くとその声に驚いてルルがこちらを見た。
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