第9章 真実と少女
別に本に名前を書かれようが、俺は彼女に惹かれていた。
この繊細な笑い方、泣き方、驚き方、一緒に食事する時の幸せそうな顔や、本を読んでいる時の難しそうな顔、
楽しそうに絵を描いて、少ない言葉で一生懸命自分を求め、接し、本来人間なら普通にするやりとりをして、
そして最終的に依存、ではなく、一人の女性として求めるようになるんだ。
いつものように黙って抱きしめられているルルに、もっと強き抱きしめた。
「ルル、愛してる。」
認めてしまった。依存だと思っていたこの感情。
それは依存よりもっと深く、
自分には到底必要のない物に思えていた。