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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第8章 携帯と少女 裏


目が覚めたのは夜中だった。
居間が随分賑やかだったので、ルルを着替えさせて一緒に行く。
「なんだ?」
「あ、ルルちゃん、団長!」
とシャルが最初に話しかけてきた。
顔を見ると心底イラッとしたが、携帯を渡されてそんなことは忘れた。
「はい、偽造カード入ってるよ。無くしたら自動で壊れるから。」
「悪いな。」
「いいよ、お詫び。」
「そうだな、お前、あれ以上ヤッてたら、今頃首がなかったかもしれないもんな。」
「ははっ、冗談きついね。」
「冗談?まあいい。お前のお陰で一つ気づけたことがあるしな。感謝する。」
「?」
シャルは意味がわからないという顔をしていた。
あいつのお陰で気づけた。
ルルを束縛するのに最高の言葉を。
「それで、何を盛り上がってたんだ?」
ソファーに座り、ルルを膝に乗せると、先ほどまでに賑わいについて聞く。
「ああ…。」
「いや…。」
団員達は口々に否定の言葉を漏らし、目線でバトンを延々渡し続け、とうとういつもと同じようにシャルがアンカーとなった。
「ええええ!?もう今日2回も殺されかけてるのに?」
「誰のせいだ、言え。3回目も待ってるぞ。」
「言っても怒るだろうけど…。団長がその携帯買った姿が、面白くて笑えるねって。」
睨みつける。
「ノブナガが…!」
「言ってねえよ!!!!」
睨みつける。
ダッシュで逃げて行く二人の背中をじっと睨みつける。
つまり、二人とも言ったっていうことでいいんだよな。
だが、膝の上で携帯をいじり、どうやるの?と一個一個聞いてくるルルを見ていると、二人の言動なんて小さいと思えた。
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