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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第8章 携帯と少女 裏


シャルナークと約束した日。
その日、俺達はホテルを出る予定だった為、車で迎えに来てもらった。
しばらくはホームで暮らすことになるだろう。
ルルは先にシャルナークとホテルを出て、車からフロントを見ていた。
俺がフロントの係の女と話していると、
「ルルちゃーん、あれ見てどう思うー?」
と笑いながらシャルナークが話しかけたのでナイフを飛ばした。
シャルナークはジェスチャーで、冗談冗談!と伝える。
車に乗り込んだ俺は、、
「冗談も程程にしないと…。」
「はいはい、すいませんでしたー!」
というやり取りを繰り返した。

ホームには、いつもの面々。
薄暗い部屋で、賑わっていた。
「団長、あの幼女どうしたんだ?」
フィンクスがぶっきらぼうに質問し、空気をひんやりさせた。
「…ここにいるが。」
「なんだ、とっくに殺すか肉便器にしてん…。」
どかっといい音が響き、フィンクスは頭を抱えて座り込む。
「ちげえよ、普通に恋人とし…。」
横のノブナガが言いかけると、またしてもいい音が。
「二人とも、下品。」
マチが拳を握っていた。
「言いたいことはそれだけか?」
俺の冷たい声がますます場を冷ややかにさせる。
ルルはそわそわしながら、俺の袖をきゅっと掴んだ。
「あれからこいつと過ごしてちょっとわかったことがある。
ルルは、あの屋敷のあの部屋からでたことがなく、言語も話せず、教育を一切禁止されていた。
理由については、正解は出ていない。
憶測からすると、世間に出られないなにかしらの理由がある。そのくらいだ。」
ルルは自分の話だと思い、こくりと頷く。
「パク、こいつの記憶を見てくれ。」
「質問は?」
「声を無くした理由だ。」
パクノダは頷くと、ルルの頭に手を当てて、気を集中させる。
しかし。
「真っ白ね。記憶を忘れているというより、最初から無い状態にされてるみたい。」
「つまり、ルルの声は精神的に失ったものじゃないと?」
「そうね、もし精神的な物なら、どんなに忘れていても、フラッシュバックとして一瞬思い出すものよ。」
「念、記憶を吸い取り無にするなんていう能力は?」
「可能性としては。聞いたこともないけど。」
ルルの声は、心の負担ではない。
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