第3章 新しい家族と少女
「さすがにまずくないか?」
とクロロが思ったのは時にすると結構前で、
既に二人は、大理石で出来た大きな浴槽に浸かっていた。
浴槽には少し熱めのお湯が注がれていて、ほんのり人工的な花の香りがした。
彼女は全く気にしない様子で、泡を立てながら体を洗っていた。
「お前、あの家いたときもこうやって風呂に入ってたのか?」
この質問に、一瞬不思議そうな顔をして、うん、とうなずいた。
彼女にとっては、これが普通で、当たり前だった。
髪は洗ったことがないと言うので、ちょうど脚の間に彼女が座っていたこともあり、
シャンプーを泡だてながらゆるゆると繊細な髪を洗ってやる。
---躾からせねばなるまい…。
風呂に入っている間、クロロは静かに決心をした。