第5章 抜き打ちテスト
先「あ、授業の質問か?」
『・・・・・えっ』
思わず、予想外の展開に声が出てしまった。
先「今日の授業は少し難しいところだったもんな」
ちょ、先生!!
・・・・鈍感にもほどがあるよ!
違うでしょ!
なに、そのギャグマンガみたいな展開・・・
なワケないじゃん!!
あんなに緊張しながら話してるのに!!
あの子、かわいそうだよ!!もう!!
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ほら、黙っちゃった・・・
か、かわいそう・・・
でも、俺がここで出ていいっても何も出来ないしな~
先「桜井?」
桜井さんっていうのか・・・かわいそう・・・
・・・ん?
桜井・・・?
先「あ、違ったか?」
「あ、いえ、・・・合ってます・・・
・・・今日のところ全然分からなくて・・・」
女の子の精一杯の嘘が切なくて仕方がない。
先「そうか、じゃあ、次の授業までに
今日の授業まとめたプリント作ってくるよ
それで平気か?」
「・・・はい、ありがとうございます・・・」
先「ん、じゃあ、気を付けて帰れよ」
そう言って、先生は女の子の頭をポンポンした。
「・・・はい、さようなら、先生」
や、やば・・・出てくる!
とっさに男子トイレに隠れた。
タッタッタッ・・・
トイレの前をかけていく姿が見え、
その姿をそっと扉から顔を出した。
『・・・・・・・・・・・・・・』
あの後ろ姿・・・
やっぱり・・・・