第5章 抜き打ちテスト
小テストは、5分ほどで終わり、先生に回収されて
マッハで採点される。
~そして返却~
『・・・・・・・・・・・・・』
渡辺先生の前で、無言で立ち尽くす私。
先「・・・桜井、お前今日すごいな・・・」
私の解答を見て先生真顔でがつぶやき、
チラリとこちらを見る。
『・・・・・・・・・・・・』
先生は私の様子を見てまた一言・・・
先「今日のテストの範囲は、日本史のはずだが・・・」
『・・・・・・・・・・・・』
言葉が出ない・・・
先「・・・お前の解答は、なんで・・・
横文字ばかりなんだ・・・?」
『・・・・・・・えぇっと・・・・・』
先生の顔が見れない・・・
『・・・その・・・範囲を・・・』
先「ん?」
『・・・範囲を・・・』
『・・・間違えました・・・』
先「・・・・・・・・・・・・・・」
先「そうか・・・」
『・・・はい・・・』
先「うん、追試な」
そう、真っ赤な私の解答用紙を
ぽん、と手渡した。
シュ「おーい、起きてっかー」
ユ「加奈子~、機嫌直しなよ~
まぁ、範囲を間違えるなんて
そんなしょうもないミスで点落とすとか
普通ないけどさ~」
『・・・ここは慰めるって・・・』
ユ「ちなみに私満点☆」
『・・・人でなし・・・』
なんと私が、必死に見ていた教科書の範囲は、
テスト範囲と全く違う場所だった。
問題文を読み始めた時点でもう気づいていた。
そして、返却される前に終わったと悟っていた。