第1章 季節外れの転校生
修二の問いに
先に答えたのは唯ちゃんだった。
ユ「私は・・・
お兄ちゃん以上に素敵な人なんて
もう今世紀にはいないから。」
唯ちゃんは目を見開いて答えた。
今世紀って・・・(笑)
唯ちゃんは俗に言う“ブラコン”だ。
しかも、ブラコンの中でも、超ド級のブラコンだ。
話始めると本当に止まらない。
ユ「お兄ちゃんの写真見る?
今日も本当にイケメンなの。
それに世界一優しいし・・・
ほんとに最高なお兄ちゃんなのよ。」
あ・・・始まった・・・
至って態度はいつも通りなのに
なんだろ狂気的なものを唯ちゃんから感じる・・・
唯ちゃんはお兄ちゃんのことになると目が変わる。
シュ「・・・・お、おう、分かったよ。後で見るから・・・」
『私も、後で見させてもらうね・・・』
ユ「そう?じゃあ、お兄ちゃんフォルダから厳選しとくね」
「『う、うん(笑)』」
とりあえず、唯ちゃんのお兄ちゃん熱を治めた。
シュ「・・・っで、桜井はなんでだ?」
あ、私の番になった。
ユ「そう言えば、私も聞いたことない!
教えて~」
あー、そう言えば
恋バナなんてしたことなかったなぁ・・・
『・・・うーん・・・』
シュ「お、お前も兄貴がイケメンなのか!?」
唯ちゃんのこともあって、
私までもブラコン疑惑がかけられた。
『い、いやいや、私もお兄ちゃんはいるけど、
別にイケメンってわけではないよ』
ユ「じゃあ、なんで~?」
『私は・・・なんて言うか・・・』
ユ「ん~?」
『え、えっと・・・
た、体質・・・?』
「「・・・・・・は?・・・」」