第1章 季節外れの転校生
「かっこいい!!」
「きゃあ!私の隣来てー!」
「イケメン!」
「王子様みたーい」
そんな女子の声が止まらない。
先生の話なんて、もう誰も聞こえていない。
先「じゃあ、あと、連絡はない。
1限目の授業の用意しとけよー」
先生は一応、まだ教卓に立っているのに
女子たちは例の転校生の周りに集まっている。
・・・先生・・・(笑)
「結城君っ、どこから転校してきたのー?」
「清玲(セイレイ)って珍しい名前だね~」
「結城君、学校案内してあげるよ~」
「清玲君って呼んでいい?」
休み時間になると、さらに女子が集まり
もう注目の的となっていた。
ユ「・・・うむ。爆裂ハンサムボーイ君だわね・・・」
『・・・本当だわね・・・』
私と唯ちゃんは、そんな彼らを遠目で見ていた。
シュ「あーもー、目の色変えちゃって
あいつの何がそんなにいいのかね~」
「『ひがむな』」
シュ「ひがんでねーよ!!」
修二に2人でツッコミを入れると、
光の速さでキレられた。
『いや、でもあれは私が見ても
爆裂ハンサムボーイ君だよ?』
ユ「うん。私が見ても爆裂ハンサムボーイ君ね」
シュ「・・・・・・・・・・・・」
シュ「・・・なんだよ、その爆裂ハンサムボーイ君って・・・」
そう、聞かれて私と唯ちゃんは顔を合わせた。
まぁ・・・そりゃ・・・
「『・・・イケメンを最上級で表したもの』」
当たり前のように答えた。
シュ「・・・はぁ・・・なんか良く分からないけどいいや・・・」
ってか、お前たちは何で、
あの女子たちみたいに騒いでないんだよ・・・」
そう。
先ほど、“クラス中の女子”と申し上げましたが、
爆裂ハンサムボーイ君の虜になっていない者が、
少数ながらここにおります。
「『いや、私たちは・・・』」