第1章 季節外れの転校生
『僕の物でもあるので、一緒に行きます。』
「「「「・・・・・・・・・・」」」」
◆「・・・え?・・・」
クラスの女の子も、
ミディアムヘアの子もキョトンとしている。
『職員室の場所も知っておきたいので。いいですか?先生』
教室がざわついていて先生の反応もない。
『先生?』
先「・・・え、あ、うん・・・」
よし。お許し出た!桜井さんと2人きり。
しかし・・・
「え!じゃあ、私が行きます!」
「ちょっと!私が行くわよ!」
あ、あれ・・・?
「いや、私!!!」
「私も行きたい!」
やば、これは・・・ちょっとミスったか?
◆「じゃ、じゃあ、どなたか・・・お願いしまーす・・・」
さっきの“桜井さん”までもがそんなことを言ってきた。
ちょ、キミまで何言ってんの!
キミがいなくちゃ意味ないじゃん!
あー、失敗したな・・・
2人きりは、また別の機会にしようかな・・・
この、「私」「私」を連呼する女の子たちを
どうすることも出来ないことを悟り、
諦めかけた時、
先「化学係は桜井さんで・・・
授業のものがどこにあるかとか
桜井さんしか分からないわよね?」
『!?』
その一言で女の子たちが一気に静かになった。
そして「それはそうだけど・・・」と身を引いていく。
わお!奇跡!
よーし、2人きり。
絶対このチャンスは逃さない。
先生ありがとう!
この恩は忘れないよ!!!
2人きりのチャンスを得た俺は、とてもご機嫌であった。
しかし、
「行くよ」と声をかけてきた
桜井さんに目を向けると・・・
・・・あれ?
目が “表に出ろ” って言ってる・・・
あれ・・・?