第1章 季節外れの転校生
1限目は化学だった。
教科書は担当の先生から貰えるそうなので手ぶらで
女の子たちと化学室まで行く。
その間も、女の子たちは「結城君」「清玲君」
と可愛い声で話しかけてくる。
やっぱり女の子はこうだよね・・・うん
そんなことを思いながら、女の子たちと楽しく移動教室。
化学室に着き、先生が俺の顔を見ると、
「あ!」
と言いたげな顔に変わった。
ん?なんだ・・・?
先「あ!そっか!転校生今日からか~!
ごめんなさい!新しい教科書忘れてきちゃった・・・」
あらま・・・
ちょっとリアクションが昭和っぽいけど、
十分、ストライクゾーンな可愛い先生。
30歳前後くらいかな・・・?
先「・・・桜井さん・・・ごめんなさい・・・職員室に・・・」
「いいですよ、あゆみ先生、行ってきます」
うん。桜井さんドンマイ!
俺のために行ってきてっ☆
と、その“桜井さん”に目を向けて見ると・・・
こげ茶のミディアムヘア。
さっきは座ってたから分からなかったけど
女の子にしては少し身長が高めの女の子。
・・・・あ、さっきの女の子だ
その子は、早速取りに行こうと席を離れるが、
ひらめいた・・・
これはチャンスなんじゃない・・・?
何事も、“問題”には早くから取り組むべきだし。
この偶然は、ちゃんと使わなきゃ・・・
・・・ね