第1章 季節外れの転校生
私は、なぜか腕を引っ張られていた。
『ちょ、結城君?
な・・・に・・・?』
ふと気が付くと、目の前に綺麗な顔があった。
『へ?結城君?ど、どうかした?』
セ「・・・・・」
『も、もしもーし・・・結城くーん?』
セ「・・・・・・・・」
え、なに!?
答えないんですけど!!!
何が目的なの!?
ちょ、近い!そして無言の圧力!
こわっ!!!!!
加奈子プチパニック!!!
どうしたらいいの!?
頭をフル回転させてみる。
・・・あ、もしかして・・・
『・・・ご、ごめんなさい!』
セ「・・・・・」
返事はない。
『あ、えっと・・・無神経に聞いちゃったよね・・・』
セ「・・・・・・」
『なんで引越ししたのかなんて他人に関係ないしね。』
セ「・・・・・」
『ご、ごめんなさい!』
怒らせてしまったと、全力で謝ったが返事はなかった。
『ゆ、結城君・・・?あの・・・許してもらえますか・・・』
セ「・・・・・・」
『結城くーん・・・』
何度も謝ったが、返事をしてくれない転校生に
もう次は、土下座しかない。
と、覚悟を決めていた時、
セ「・・・本当に何もないんだね・・・」
やっと転校生が話してくれた。
が、
何だか訳の分からないことを言いだした。