第9章 番外編 出会い
『ごめん・・・
本当は、起こそうと思ったんだ』
俺は今、放課後の教室で反省文を書いている。
◆「ううん、自分のせいなの」
そして、目の前には、
あの女の子。
◆「寝坊したくないから寝ずに来たの。
そしてら、あそこで眠くなっちゃって・・・」
『ふふっ、そっか
俺もあのベンチ座ってたら眠くなった』
◆「あはは、一緒
あのベンチはいい場所だけど駄目ね
座った人を眠らせちゃう」
『そうだな(笑)』
この女の子は、
桜井加奈子と言う名前で、
中学は、少し離れたところだったらしく
この学校に知り合いはいないそうだ。
あと、驚いたことに同じクラスだった。
『入学初日から、
反省文なんてついてないな』
◆「本当、反省文なんて初めて書いた」
『あ、俺も初めて』
◆「ははっ・・・」
楽しそうに笑った後、
目線をすっと下に落とした。
『・・・どうした?
あ、どうしたってことはないか、
反省文なんて書きたくなかったもんな
本当、ごめんな』
◆「あ、違うの・・・えっと・・・」
桜井さんは、ふふっと笑いながら、
話を続けた。
◆「私ね、この高校に来たのは
ちょっと目的があって・・・
今日、叶うかなっとか思ってたんだ。
でも、そう上手くはいかないみないっ
相沢君のせいとかじゃないから。」
『そっか・・・
あ、そういや俺も夢叶わなかったわ・・・」
◆「ははっ、お互い上手くはいかないね」
『そうだな~
けど、反省文仲間として
お前の夢応援するよ!』
◆「あはは、ありがとう!
私も相沢君の夢応援する!」
そう俺たちは
初めての反省文を書き上げた。