第1章 季節外れの転校生
先「あ・・・でもでも・・・」
あゆみ先生が手を挙げて、何かを言いだした。
騒いでいた女子たちも先生の話に耳を向ける。
先「あ、あの・・・
化学係は桜井さんなんで・・・」
ん・・・?
先「だから・・・
授業のものがどこにあるかとか
桜井さんしか分からないわよね?」
えっ・・・?
そう言って、先生は私にウインクを送った。
『・・・へ?・・・』
ちょ、先生!!!!!
違う違う!
逆なの!逆っ!
そう、必死な思いを顔全体で先生に伝えてみるが、
先「ぁ・・・うふふっ」
ちっがーーーーーーう!!!
「お礼はいいわ」とでも言いたげな表情。
せ、先生ぇ・・・
あぁ・・・もう・・・
そんな可愛い顔でニコッとしないで!
可愛いけど!!!!!!
「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」
し、視線が痛い・・・
クラス中の女の子たちが私を見ている・・・
いや、すごい形相で睨んでいる・・・
もう、仕方がない・・・
先生にも、もう迷惑かけられないし・・・
か、覚悟を決めるのだ加奈子!!!
『・・・結城君!!!!』
セ「は、はい」
『行くよ!!!!』