第6章 ~神宮寺レンの場合~
私は精一杯の笑顔で、初めて神宮寺さんに言葉を発した。
「…ありがとう。」
神宮寺さんは、私の耳元に口を近づけて
「いつもキミの熱い視線が気になっていたんだよ。」
と言って笑った。
吐息が耳に触れるだけで痺れるように熱くなる。
それだけじゃない。
神宮寺さんの“いつも”という言葉が嬉しかった。
神宮寺さんが私に気づいてくれていた、そう考えただけで幸せな気持ちになる。
ただの勘違いかもしれないけど、少しは“特別”になれたんだよね…!
背中を押してくれた愛結美に対して、感謝の気持ちでいっぱいになった。
私の片想いの色は…熱く燃える夕陽のようなオレンジでしたー。