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第6章 伝える


和やかに朝食済ませて、片付ける。
いや、和やかではなかったか。
一瞬だけ、黒尾さんが赤葦さんを威嚇した気がする。
どうしてかは、分からないけど。

片付けが終わって、キッチンからリビング側に戻ると…。

月島さんが起きてきていた。

私が戻ったのを合図にしたように、3人が揃って月島さんを囲んでいる。

「…何なんですか?」

男性2人に両腕を掴まれ、更にきとりちゃんに背中を押され。
フラつきながら私の前に連れて来られた姿は、囚われた宇宙人のようである。
まぁ、その割に大きいけれど。

疑問を感じて止まっている今がチャンスだと、その綺麗な顔を一回だけ平手で叩いた。

「…いった!いきなり何するの。」

月島さんが怒って一歩踏み出したのを両脇の2人が止める。

「これで、昨日のはチャラにしますね。私も料理人の端くれなもので、何回も叩いて手を怪我したくありませんし。」

にっこり、と効果音が付きそうなくらいの笑顔を浮かべた。
不機嫌な時ほど出る私の作り笑顔と言葉で、どうして叩かれたかを理解したようだ。



その後に来た木兎さんは相変わらず五月蝿いし、月島さんはずっと不機嫌だし。
小さな嫌な事はあったけど、まぁ平和にその日一日をのんびりと過ごした。

その日だけじゃなく、数日間は月島さんに無視され続けたのは、気にしない事にした。
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