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第33章 episode0


クリスマスが過ぎて、年末年始は、皆がそれぞれの実家に帰って本当の家族と過ごしている。
私には、本当の家族がもういないから、羨ましいような、淋しいような…。
けど、不思議と辛くはない。
皆が、この家に帰ってくるのが分かっているから。

お節とか別に好きじゃないし、私が人避けした所為で親戚関係も希薄で挨拶行く事もないし。
普段通りの生活をしていた元日。
昼過ぎた頃に玄関が開いた音がした。

驚いて見に行くと、そこにはクロが立っていて。

「センパイ。明けましておめでとうございます。」

当たり前のように年始の挨拶をされた。
何の連絡もなしに帰ってきたものだから、言葉を返せずにいると外を顎で示される。

「初詣、行かね?」

いや、彼女と行けよ。
クリスマスまで一緒に過ごしていたのに、もうフラれたって事はないだろ。

喉まで出かかったツッコミは飲み込んでおく。
クロは何の考えもなしに、無神経な事をする人間じゃない。
私と話したい事があるんだ。
でも、家の中じゃ出来ない話なんだろう。
暗い話だと、逃げ場がなくなるから。
だとすると、自ずと話の内容は分かる。

多分だけど、彼女の為に家を出たい、って話だ。
案外早く、家族ごっこの終わりがきたものだ。

聞きたくはなくても、クロを縛ってはいけない事も分かっている。

覚悟を決めて、最後のデートをしに外へと出た。
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